2024/09/18
この記事のまとめ
重症心身障がい児が通所する【児童発達支援/放課後等デイサービス】。
特定非営利活動法人EPOが2016年より東京都で4事業所運営しています。
ここねという名前は「心の音」「心の根」という意味があり、
たくさんの遊びと人との関わりを通して心の成長を大切にし、一人ひとりの個性を伸ばし、
お子様の心が「安心と幸せ」に満たされるよう願いを込めたことが名前の由来です。
とにかくたくさん遊ぶことを大切に、日々様々な活動プログラムを実施しています。
重症心身障がい児に関わる保育士・理学療法士・作業療法士が【感覚×α】をテーマに、
遊びを通して経験を積み重ねられるよう「とにかくたくさん遊ぶ!」ことを目的に作ったあそびプログラム。
機能と心を育む「あそび」プログラム。
遊びが難易度によって段階付けられているため、
遊んだ時のお子様の様子や反応によって難易度を変えて遊ぶことができます。
感覚アイコンでどのような感覚が刺激されるかも一目で分かります。
ご家族や支援者の中には、障がいを抱えるお子様と「遊ぶ」ことに悩んでいる方や、
経験したことがないため遊び方が分からないという声を聞く機会が多くありました。
重症心身障がい児と遊ぶことは一人ひとりの個別性が高いこともあり、
インターネット検索や販売されている書籍で情報を得ることは限界があります。
そのため、ここねで培ってきた日々の遊びを理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・保育士が
体系的にまとめることはできないかと考え、2021年にここねあそびの原案が完成し、
ここねの遊びプログラムとして利用してきました。
2023年、洲崎福祉財団様より助成をいただき、
ブラッシュアップした「ここねあそび」をポプラ社様より出版することに至りました。
保育や発達障がい児向けの本はこれまでもありましたが、
重症心身障がい児が遊べるのは、それらのほんの数ページしかありませんでした。
ここねあそびは重症心身障がい児の通所施設が作ったプログラムなので、
「重症心身障がい児向け」の本として制作しました。
重症心身障がい児の子育てをするご家庭や、支援者のみなさまに使いながら遊んでいただくことをイメージしながら制作しました。
感覚遊びを「やりとり」「口・顔」「手」「目」「運動」の要素ごとに分類しました。
各要素①から④の段階付けを設定し、①から④に進むにつれて難易度が上がります!
「この遊びができてきたら次はこんな遊びに移っていく」という指標や遊びの展開の目安になります。
各あそびに【感覚アイコン】を表記し、遊びを経験することでどのような感覚刺激を受けることができるか一目でわかります。
「どんな子におすすめ?」は、各あそびが対象となるお子様をイメージしやすいように、おすすめの対象がすべての遊びに記載されています。
ねらいや準備物、遊び方も詳細に掲載されているため、子どもと遊ぶことに慣れていない方や支援初心者の方の参考になります。
あそびによっては発展のさせ方も掲載しているので、遊びの引き出しを増やすことができます。
絵本作家の藤本ともひこ先生がこの本のために書き下ろしたイラストが全ページに!
各あそびをより具体的にイメージできるよう、多くの挿絵を収録しました。
遊びのタイトルの下に、「ねらい」「どんな子におすすめ」が記載されているので、
「ねらい」もしくは「おすすめ」がお子様に当てはまるかを見ながら、その遊びを試してみてください!
あそびに必要なものが記載されています。
もし準備できない場合は似たものや代用できそうなものを使ってみてください!
遊び慣れた支援者も、セラピストも、両親でも、
遊んでみると思っていたお子様の反応でないことはあります。
それが単純にできる/できない、
興味がある/ないだけでなく、
なぜうまくできないのか、興味を示さないのか、
工夫をすればできるのか、もう少し簡単にするにはどうしたらいいかなど、
トライ&エラーをしてお子様の個性を知り、
伸ばすことができるようなツールにすることが、
この本の”よりよい使い方”だと考えています。
宮代 祐希
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